トビムシが目指すのは、日本の多くの地域が持続可能に在る、そのことに寄与することです。そのためには、マテリアルとエネルギー、食糧の自給の仕組みづくりが必要になります。マテリアルそのものでエネルギーに転用できて、水や空気などをきれいにして食糧に寄与するのが森であり、木です。日本の国土の約7割は森林ですが、木材自給率はわずか3~4割程度。日本の林業はいつしか衰退し、手入れの行き届かない森が増えてしまいました。その解決のためには、地域の特性や課題に応じたバリューチェーンを構築し、人と森林、都市と地域の関係性を丁寧に結びなおすことが必要になります。
トビムシは、全国各地での森林・木材業の実業の経験と知見を活かし、以下のような事業をおこなっています。

地域商社・機能会社の
設立・運営

森林資源を起点とした、森林施業、製材、木工加工、建築・施工、不動産管理、カフェや宿泊施設運営、ツアーの企画運営、移住定住促進、人材育成、エネルギー関連事業などの事業を作り、それを運営する事業会社の設立と運営をおこなっています。

森の学校商品

岡山県西粟倉村

西粟倉村

西粟倉村は、2004年に合併ではなく自立の道を選択した人口約1500人の村。2005年にトビムシ設立の母体となったアミタ株式会社が関わりを持ち始めました。2009年、村より「百年の森林(もり)構想」が打ちたてられ、共にリスクを取って事業を続けていくためにトビムシを設立。村が森林を集約化し、トビムシは高性能林業機械の購入などに必要な資金調達とファンづくりを国内初の森林・林業の事業ファンド「共有の森ファンド」で実現しました。同年、村とトビムシとで「株式会社西粟倉・森の学校」を設立、翌年から工場も稼働させ、「ユカハリタイル」等の間伐材商品の開発、製造・販売を開始。10年がたち、いま村では、森の学校を中心に多くの移住者が活躍しています。

奥多摩町

東京都奥多摩町

森と市庭商品

東京の面積の約4割は森林です。トビムシは東京・奥多摩の山林所有者から相談を受けて事業の検討を開始しました。(株)ディー・サイン、(株)チームネット、R不動産(株)が出資参画、山林所有者からは山林を現物出資してもらい、2013年に「株式会社東京・森と市庭(いちば)」を設立。奥多摩町の旧小河内小学校をコミュニケーションの、森林組合の製材所を生産の拠点として運営しながら、生産、加工、販売、コミュニケーションの流れを構築し、東京の都市と森が複層的につながっている空間的豊かさを形成します。現在は主に都内の子どもたちに木育商品・体験の提供を行っています。

飛騨の森でクマは踊る商品

岐阜県飛騨市

飛騨市

面積の9割以上を森林が、その7割を広葉樹林が占める飛騨市。2013年、市役所企画課より「地域資源を活かした商品開発事業」の相談を受け、トビムシからは広葉樹と加工技術を活かし商品が生まれ続ける仕組みづくりを提案。数万人のクリエイターのネットワークとコミュニティ運営ノウハウを有する(株)ロフトワークも参画し、調査とテストマーケティングを実施。2015年に3者で「株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称ヒダクマ)」を設立(飛騨市は市有林も現物出資)。翌年には木工房併設の滞在型ものづくりカフェ「FabCafe Hida」をオープン。森林や製材所をつなぎ、世界中のクリエイターが飛騨の多様な広葉樹と匠の技とコラボレーションできる機会を創出しています。ヒダクマ設立をきっかけに飛騨市では「広葉樹のまちづくり」の様々な取り組みが進んでいます。

奥多摩町

愛媛県内子町

森と町並みの設計社商品

重要伝統的建造物群保存地区に指定された町並みが残る愛媛県内子町。トビムシは町役場より相談を受け、2015年より2年間の調査事業を受託。地域資源の調査、新規事業の企画・検討等、森と町並みを同期させるのに必要な要素の調査と整理を行い、既存の地元企業の再編を提案。2018年に「株式会社内子・森と町並みの設計社」と社名変更、トビムシが資本参画しました。素材生産を営む一次産業、木材加工を営む二次産業、ログハウスなどの住宅施工販売を行う三次産業を一貫して行うことで地域の林業活性化に貢献、森と町並みの関係を再設計しています。

八女流商品

福岡県八女市

八女市

福岡県下一の森林面積と長い林業の歴史を持つ八女市。トビムシは市役所地域振興課町並み景観係より相談を受け、2016年より実態調査・テストマーケティングを実施しました。2018年に中山間地に移住者向けの賃貸住宅「里山ながや・星野川」を八女杉をふんだんに用いて建設、それを運営する「八女里山賃貸株式会社」を民間資本で設立しました。翌2019年には、「地域資本主義」を提唱する株式会社カヤックと共に、林業を軸に生産から流通、商品開発までを担う「株式会社八女・流域資本」(後に「株式会社八女流(やめりゅう)」に社名変更)を設立。品質管理を徹底した八女の杉を「八女熟杉」ブランドとして届ける体制を整えています。